代表理事ご挨拶
DDの標準化を推進し、社会に普及・発展させる
一般社団法人日本デューデリジェンス協会
代表理事 鉢村 健
日本デューデリジェンス協会は、令和元年7月に「中小法人等を対象とするM&A・事業再生・その他企業取引の安全に資するため、デューデリジェンスに関するスタンダードを確立し、社会に普及発展させること」を目的として設立しました。
私は日本銀行に32年間勤務する中で、国内外の金融経済調査に加え、地域に根ざす金融機関や中小企業の経営をつぶさに見る機会に恵まれました。
この間、日本経済は「Japan as No.1」と称賛された後、バブル崩壊を経験して今日に至るまで、復調の兆しを見せることもなく、国全体が悪循環に陥ってしまったように見受けられます。
私がデューデリジェンスに出会ったのは、2011年の東日本大震災に際して東京電力の福島第一原子力発電所事故が発生した直後、内閣官房に設置された「東京電力に関する経営・財務調査委員会」の事務局次長を務めた時です。また、日銀支店長(福島・神戸)の時にも、地域の有力中小企業が事業継承の危機に直面する実例を知りました。
そうした経験の中で、強い問題意識を持ったのが、M&A取引における「情報の非対称性を埋めること」「取引の安全性を高めること」「取引を公正に行うこと」この3つを如何に確保するかでした。近年、多数のM&A取引が行われていますが、「デューデリジェンス」の用語は共有されていても、取引関係者の間でスタンダードが確立されておらず、何が正しいか分からないと言った不満が底流していることは、改善すべき事柄です。
日本デューデリジェンス協会は、こうした課題を克服すべく①啓蒙活動の実施、②標準化の推進、③教育活動の展開を進めてまいりたいと考えております。
鉢村 健 Takeshi Hachimura
日本銀行(福島支店長、神戸支店長)、国際協力機構(JICA)長期専門家、内閣官房審議官、復興庁政策参与(兼)統括官付審議官などを歴任し、2022年当社団代表理事に就任。